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9月 名残の京料理
2019 / 09 / 07 ( Sat )
     蕎麦懐石 澤正

京都の東山区 泉涌寺の近くに剣神社があります。

剣神社鳥居

創建年代は不詳ですが、京に都が置かれた際に王城鎮護のため
都の巽の方角に宝剣を埋めて神殿が造営されたとも、また一説には
東山の鳥辺野一体は葬送の地で、昔に埋葬された鏡や剣が偶然発掘され
たのを神社として祀られたともいくつかの説があるようです。

剣神社

現在では子供の守り神「疳の虫封じ」にご利益があるとか、また
神経痛や吃音にもご利益があるとされています。

この剣神社のすぐ近くに、なかなか予約の取れないと言われる蕎麦懐石のお店
「澤正」があります。

澤正玄関

建物は以前は貿易商の方のお住まいだったそうです。 
和と洋の折衷された建物で随所にいろいろな工夫が凝らされています。

場所的には川沿いにあり、上からの下眺めますと谷底のような眺めになります。
春は新緑、秋には紅葉がとても綺麗な様相です。

窓からの風景2

窓にはステンドグラスがはめられています。

ステンドグラス

私達がお伺いした時は小間のお茶室でした。
床の柱は由緒ある神社からの古材を使用されているとか
なかなか難しい床柱でした。

床飾り

雰囲気として行燈は桜を表現したもので素敵でした。

行燈

襖は唐長さんの襖紙だそうです。

唐長 襖

天井の板は松で削り方が普通とは違います。材木を縦に削っているのです。

天井板

今日は9月1日 夏の名残の蕎麦懐石を戴きました。

この日はとても暑い日でしたので先ずは冷たいお水をいただきます。
グラスはハート型をしたグラスが出てきました。
ご主人の心遣いがとてもお客様の心をとらえます。

ハート型グラス

お料理は先ずは八寸(六種類)
お皿等は京焼きだそうです。

八寸

冷鉢は小芋まんじゅう 木耳 パブリカ 海老 しめじの蕎麦餡仕立て

冷鉢

小鉢は切子グラスに入れられていてとても涼しげです。

更級変わり蕎麦

揚げ物

揚げ物

いよいよメインのお蕎麦です。
二八蕎麦は手打ちでご主人が自ら朝から手打ちされているそうです。

二八蕎麦

特別にそばがきも2種類出してくださいました。
オリーブオイルで頂いたり、

そばがき

焼きそばがきはフランスの塩をつけて頂いたり、変化を楽しみます。

そばがき2

ご飯は茗荷の香を楽しむ工夫がこらされています。 それに赤だしです。

ご飯 赤だし

器に、グラス、スプーンにと随所におもてなしの心が籠められ
目で楽しんで、味で楽しんで、触感で楽しむお食事を堪能いたしました。

そば餅 そば短冊

15 : 49 : 27 | 京料理 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
京の伝統野菜料理 
2018 / 08 / 22 ( Wed )
京の伝統野菜料理 萬川

「京の伝統野菜」は1987年に京都府で40品目を認定いたしました。
その「京の伝統野菜」としての定義付けは
 ①明治以降の導入の歴史を有する
 ②京都府内で生産されているもの
 ③たけのこをふくみ
   キノコ類、シダ類を除いたもの
 ④現在も栽培または保存されているもの、
   及び絶滅した品目を含む
とされています。

この他にもブランド京野菜として京都の永い歴史と伝統に育まれて
京の食文化を支えてきたものを、公益社団法人京のふるさと産品協会が
認定した「京マーク」のついた野菜25品目があげられます。

このように京は良質な水に恵まれ四季の寒暖の差が明確なところから
早くからブランド的な野菜が豊富で京の食文化の発展に大きく寄与してきました。

そして産地直の京野菜を使った京料理のお店も最近は予約が混んでいる
お店も多くなりました。

今回は京野菜の主産地である上賀茂の町家「萬川」にお伺いしてきました。

萬川

お店の雰囲気は築100年は経過している古民家、なんとなく「ほっこり」するという
感じです。 大人数ではなく20名位がお食事できるお店です。
大きなテーブルには季節の花が活け込んであります。

店内2

床の間飾り
床飾り

店内

玄関横の土間は現在はカウンターに変身
お得意様のキープボトルやいろんな種類のお酒が並べられています。
これもアートですね

カウンター

まずはおばんざい3種盛
 亀岡産茄子、小芋、 万願寺とうがらし の煮物
唐辛子 茄子 小芋

京水菜と大根のサラダ
 ピンクペパーの香がほんのりとします。
水菜サラダ

万願寺唐辛子の3種あぶり焼き(城陽産のとうがらし)
万願寺唐辛子は非常に大きく長く食べごたえがあります。
削りぶしのいい香りと相性がよろしく素朴な味わいです。
万願寺唐辛子

デトックス 豆乳ドリンク
 白味噌仕立ての和風スープといったところでしょうか
 豆乳の味が勝でもなく、白味噌の味が勝でもなく、お互いが
 マッチした夏には冷たく食欲をそそります。
豆乳スープ

今年の猛暑は野菜の栽培にも大きく影響しているそうで、上賀茂の賀茂茄子
は数が少なくなってしまっているそうです。
茄子田楽は産地の茄子を選んで調理して頂けるそうです。
今回は希少価値の上賀茂産をお願いしました。 他には亀岡産の賀茂茄子があります。

賀茂茄子

上賀茂産の茄子には上賀茂産野菜研究会のシールが貼られています。
上賀茂の農家の方はこのお茄子を栽培するのに、品種の保持だけではなく
これを育成保持していくことに誇りをもってその責任感で栽培されていると
お聞きしました。
賀茂ナス田楽

京山科茄子の焼きびたし、ゆばかけ
 焼きナスの香ばしい香とねぎ湯葉の歯触りがマッチしています。
焼きナス

京都産白米と18種の雑穀米の湯葉あんかけごはんに上賀茂産のすぐき漬けです。
湯葉もぱりぱりしたものと、餡かけのようにしっとりしたものと又感じが違い美味です。
湯葉雑炊 すぐき漬け

器にも心配りがあり、お料理にあった土物で素朴なお料理を引き立てる趣向が
垣間見えて美味しく頂きました。
急須

萬川さんは上賀茂神社から徒歩15分位です。
事前予約が必要です。
17 : 41 : 54 | 京料理 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
中村楼
2018 / 02 / 12 ( Mon )
京の老舗 中村楼

桃山時代末期から江戸時代初期の創業と伝えられる料亭中村楼は
八坂神社の南楼門前にあります。

門構え1


もとは東西に二軒あった茶屋が始まりで、八坂神社に参拝される人々に
腰掛け茶屋として始まったといわれ、これが茶店の発祥とも言われます。

「都名所図会拾遺」に「その濫觴は年暦久遠にして詳にしれがたし
今より百八十年前、慶長の頃東にも建てて東西両翼の如し、これを
二軒茶屋という」とあるようで、東を柏屋、西を藤屋といわれたが
藤屋がなくなり、柏屋が中村楼と改められ今日に至ります。

当初は門前の水茶屋として、やがて豆腐の田楽や菜飯が名物となり
地唄「京の四季」には「粋も不粋も物かたい二本さしてもやわらこう
祇園豆腐の二軒茶屋」と唄われ、また小唄や新春の手まり歌にも
歌われるくらい賑わいをみせていたようです。

東海道膝栗毛にも出てくる名物茶屋として親しまれました。

その中村楼に伺ってまいりました。
タラ葉


玄関前には多羅葉の木が今は赤い実を一杯つけています。
この多羅葉はモチノキ科で日本では葉の裏面に経文を書いたり、
葉をあぶって占いに使用してきました。
この葉の裏に文を書いてハガキとしても使用することができるという
ものです。

お庭2

お店の中は広くてどのお部屋からもお庭が見える工夫がなされている
心遣いがあります。

今日はお昼の懐石料理です。

先ずはアマダイの蕪蒸し
蕪蒸し1

寒い冬には何よりのご馳走、温まります。蕪の滑らかな舌触りが
とてもよくワサビがきいてとても美味しいです。

お吸い物1

真薯とネギのお吸い物
細いのはネギの種類だそうです。一椀の中に絵があります。

てっさ1

冬は河豚の美味しい季節です。

ぶりのお造りとサワラの幽玄焼き1

ブリのお造りの一皿と鰆の幽玄焼き、冬の風邪予防は何と言ってもキンカン
の甘煮です。

名物田楽1

名物の田楽が出てまいりました。
味噌の味は秘伝のお味が守られています。

鴨鍋1

鴨鍋はお出汁がとっても美味、香りがよくて絶品でした。

節分の八寸盛1

2月節分の趣向をあらわした八寸盛です。
白玉椿(ユリ根) 飯蛸 おたふく豆 えび お稲荷さん。
彩もよく、お味のバラエティーもあり、すばらしい表現でした

菜の花1

春をいち早く感じる菜の花に豆に暮らせますようにとおまめさんが
込められた一鉢です。

彩ごはん1

彩ごはんに香のものと赤だしです。

赤だし1

最後は季節の果物

フルーツ1

銀のスプーンがとても素敵でした。
持ち手もおしゃれでふとすぎず、細すぎず 細工も繊細で
果物が余計においしく頂けました。

器と料理の調和、季節と料理の調和、しつらえ
これらが一体となって京の老舗とよばれる料亭は随所にその
心遣いが垣間見える素晴らしいところです。

15 : 28 : 45 | 京料理 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
京遊膳 うおき
2015 / 08 / 24 ( Mon )
京遊膳 うおき

お手軽に京料理を楽しめるお店が小川通下立売下ルにあります。
お店の名前は「京遊膳うおき」
京都府庁からすぐ近くのお店で、産地直送の鮮魚を使った新鮮なお魚
や京野菜等上品なお味を楽しむことができます。

1階はカウンター席で、ご主人の包丁裁きを楽しみながら出てくる料理を
楽しむことができます。

2階席はお座敷でグループでのお食事にゆっくりくつろげるお席です。

店玄関

お料理の先ず初めは
トウモロコシの湯葉豆腐です。
トウモロコシの甘みと香りがふんわりとして口の中でとろけなめらかな
お味です。

トウモロコシ湯葉豆腐

お造りは産地直送のお魚、鯛、いか、まぐろです。
いかは柔らかくわさびを利かして頂くと絶妙です。
両端についている大根の薄切りはアイデアですね。
シャキシャキとしてお造りとよくあいます。

お造り

焼き物は金目鯛の幽玄焼きに、あしらいに枝豆、おいも、ヤマモモ
夏は枝豆が最高です。栄養価が高く、さっぱりとお魚とも相性がとても
いいです。

金目鯛の幽玄焼き

夏野菜の煮物
薄味でさっぱりと頂けます。

夏野菜

天麩羅は白身魚、青唐、茸類です。
揚げたては熱々で一気にお箸が進みます。

天ぷら

最後は鰻の茶漬け。
近年鰻が獲れなくなって、土用の鰻はとても高級になり松茸と同様
庶民の口にはなかなか入らなくなりました。
その貴重な鰻のお茶漬けです。
ゆっくりと充分に味わい頂きました。

鰻の茶漬け

今日は4300円のコース料理です。
特に酷暑の続くこの夏は栄養補給をしなければ夏バテをいたします。

時には仲間でゆっくりとくつろぎながら、時間の経つのを忘れて過ごすのは
至福の時間となります。

うおきの女将さんのプロ意識
帰り際、靴をそろえて出してくださるのですが、これが又なんとその人の
靴を指定しなくてもピタリと出される。
流石! と感動いたしました。

気持ちのいいひと時を味わうことができました。
18 : 29 : 40 | 京料理 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
京のお正月
2014 / 12 / 27 ( Sat )
京のお雑煮(たん熊北店)

和食が昨年(2013)12月4日にユネスコ無形文化遺産に登録されました。

この登録により和食が世界にその価値を認識されたことになります。

登録にあたって和食の特徴には次の4点があげられました。

①多様で新鮮な食材とその持ち味
②栄養のバランスに優れた健康的な食生活
③自然の美しさや季節の移ろいの表現
④年中行事密接な関わり

ユネスコ無形文化遺産で食の部では5番目の登録となります。
他にはフランス料理、地中海料理、メキシコ料理、トルコ料理があります。

今回京の老舗料亭のたん熊北店でNPO法人文化倶楽部主催の
「お正月の食文化を雑煮を食べて学ぶ」に参加してまいりました。

店舗

「たん熊北店」は西木屋町四条あがるにあり、この界隈は角倉了以が
開削した高瀬川のほとりにあたります。

お店のモットーは「一期一会の心ばせで 真のもてなしを」を掲げられ
日々京料理のもてなしに精進されておられます。

京の歳時、お正月の準備は「事始め」から始まります。
12月13日がその「事始め」の日にあたります。
この日から大掃除、しめ縄を作り始める、お正月料理の棒鱈をもどしはじめる
等々お正月の準備に取り掛かります。

たん熊北店の注連縄は「伊勢の注連縄飾り」だそうで、これは一年中飾って
年末に付け替える方式のものだそうです。

通常家庭では1月15日のとんど焼きの日に燃やします。

門松は最近お飾りをする家庭が少なくなりましたが、

門松は年神さまが降りてこられる目印となります。
注連縄は邪悪なものを中に入れない。

それぞれに意味があります。

しめ縄

たん熊北店のご主人からお正月料理、京料理などについてお話を
お聞きしました。

お正月のお重には三段、五段など夫々かさね重にお節が詰められます。

一昔前は冷蔵庫が普及していない生活では漆塗りの重箱は保存に
適しておりました。
漆塗りは通気性があり、防腐効果が高い特徴があります。

一の重には 祝い魚 (ごまめ、数の子、たたきごぼう)
二の重には 焼き物(ブリの照り焼きやサワラの幽玄焼き、鮭など)
三の重には 酢の物
四の重には 煮しめ  よの重とよびます

京のお節の三種は
 *ごまめ(別名田つくり) ・・五穀豊穣
 *数の子・・子孫繁栄
 *たたきごぼう・・大地にしっかり根を張るように、まっすぐのびるように
  となります。

お鏡飾りは
 鏡餅は一升の御餅をを半分にして二段重ね(一生半)
 橙(代々)
 干し柿(串にさしてある干し柿は両端に2個、中央に6個のものを使う)
   夫婦仲睦まじく
 うらじろ(表は白、腹黒いことは考えない)
 ゆずりは(つぎの芽がでるまで葉をおとさない)
   代々 夫婦仲睦まじく 腹は白く 次代につぐ という意味があります。

 鏡開きは1月11日
 お鏡さんは包丁で切らない・・神様にはむかうことになる。
                    手で割るか、木槌でたたいて割るのだそうです。
   なかなか堅くてたいへんです。


店主

お屠蘇飾り

お屠蘇は一年間無病息災を祈り
  とそ酸という薬味をお酒に溶かして頂くもの。
  最近はお酒だけで頂くのが普通になりました。

お屠蘇 酒器

そして京のお雑煮は「白味噌」のお雑煮です。
中には丸餅、大根、日の出人参、かしら芋

 丸餅は焼かない。 一年人と争わず丸く
 大根 おお根といって大地にしっかり根を張るように
 かしら芋 人の頭となるように

雑煮椀

たん熊北店のお雑煮は
 白味噌、
 小芋を鶴の形に、
 日の出人参は 切り方が水平線から日がでるように表現
 大根 亀の形に
 うぐいす菜
 上には鰹節が添えられています。

手の込んだお手間いりのお雑煮です。
白味噌はまったりしてとても美味しいく、
これを食べないとお正月が来た気がしないのが京のお雑煮です。

お雑煮2

京料理には一つ一つに夫々意味があり、これを次世代に継承して
いくことが大切であると、和食のユネスコ文化遺産登録に京の
老舗料亭のご主人や京都府、京都市が奔走されました。

私たちの日常の生活の中で子供たちに伝えていきたいものです。
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