旧三井家下鴨別邸
2018 / 02 / 26 ( Mon )
>旧三井家下鴨別邸

京都の出町柳に張り出す高野川と鴨川の合流する三角州の北側には
下鴨神社の境内が広がります。
下鴨神社の南に位置したところに旧三井家下鴨別邸があります。

門

広さは5720㎡ある敷地に三層建ての主屋と玄関棟、茶室、庭園からなります。

地図

三井家は慶長年間に商人として高俊が屋号越後屋として創業したのに始まると
されています。
高俊の四男である高利が呉服商越後屋から両替商を初め事業を拡大し、
三井家の総領の座を確立し、三井財閥として発展していきました。

この旧三井家下鴨別邸は三井家北家の別邸として第10代三井高棟によって
建築された別邸だそうです。
三井家の祖霊社である顕名霊社(あきなれいしゃ)が明治42年に遷座され、その参拝
の休憩所として大正14年に建築されたのが現在の別邸で,玄関棟、主屋、茶室が
現存しています。 当時は参拝の休憩にのみ使われていて、宿泊場所ではなかったようです。

広大な敷地に3層の和建築で全体的には簡素な造りがなされ、随所にこだわりの
衣装が見られます。

玄関


建築に当たっては木屋町三条にあった三井家の別邸が主屋として移築されたそうです。

この木屋町三条にあった別邸にはかって、三井高棟の養父である9代当主の高朗の
隠居所であったそうです。

全体的には書院造りがとり入れられ、天井が高くゆったりとしています。

1階は八畳と六畳の座敷で障子の桟が凝ったつくりがなされています。
窓が広くてお庭の景色が全体にみられ、広々とした感じがいたします。

主屋

内玄関に置かれている衝立の障子が開け閉めでき、障子の下は紅葉や桜の
彫りが施されてお洒落な衝立が置かれています。
衝立の前側には一輪挿しがおけるように工夫されています。

内玄関

2階は十四畳の座敷

主屋2

欄干

洗面所などは洋風となっていますが、お風呂は木のお風呂です。
、3階は望楼となっています。
3階の望楼は360度パノラマの景色を見ることができる素晴らしい眺めです。

主屋全体2

別棟となっているお茶室です。 今回公開はされていませんが、お茶会も
できるそうです。

茶室

お茶室となりに置かれている棗型の手水鉢、随分背の高い手水鉢です。

手水鉢

庭園3

お庭がとても広くて滝組もなされています。
今の時期は冬枯れで芝も赤くなっていますが、6月頃には芝の状態も新緑で
素晴らしい眺めとなることと思われます。

庭園2

灯籠

池に写る建物の景色も晴れの日は素晴らしいです。

庭園

三井家の家紋「四つ目結」です。

家紋



この三井家下鴨別邸は昭和24年京都家庭裁判所に譲渡され、以降平成19年迄
家庭裁判所の所長宿舎として使用されていました。

平成23年には国の重要文化財に指定され、京都市の管轄となり現在これを
後世に継承していくため修復をされています。

2階、3階が公開されているのは今回は3月6日迄となっています。

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涌出宮 居籠祭
2018 / 02 / 21 ( Wed )
天下の奇祭 居籠祭
  (国指定 重要無形民俗文化財)


涌出の宮

木津川市山城町の涌出宮は JR奈良線の棚倉駅前に鎮座します。
涌出宮の創建は今から1200年前と伝えられる古社です。

鳥居

伊勢の五十鈴川の畔からご祭神をお迎えしたのが始まりとされています。
涌出宮の正式名は和伎座天乃夫岐賣神社(わきにますあめのふきめじんじゃ)
ご祭神は天乃夫岐賣命

本殿

この涌出宮で2月の第3土曜日から5日間豊作祈願の居籠祭が行われます。
居籠祭の起源は日本書紀によれば、武埴安彦命の軍が大和朝廷軍と戦い
敗北した後、多くの戦死者の霊が祟り悪疫が大流行し人々を悩ませた。
そこで村人は斉み籠って悪疫退散を祈ったのが始まりと云われております。
居籠祭は昭和60年には国の重要無形民俗文化財に指定されています。

国の無形重要文化財

今年は2月17日に行われました。
居籠祭は綺田地区の古川座、平尾地区の与力座、、尾崎座、歩射座の
四座で執り行われる祭りです。
秋祭は収穫感謝で大座、殿屋座、岡之座、中村座の4座が取り仕切られ
ます。
合計8座が年間を通じて行われる宮座行事は2月に神様をお迎えして1年間
宮に鎮座頂き、12月16日の深夜に山にお帰り頂く神事だそうです。

春の居籠祭の行事は
 1月に神社の柏の枝を切りだして芝をつくる 芝作りの行事から始まります。 
 束を61作り祭りまで乾燥させます。

松明の芝

 2月12日の深夜から森まわしという行事が行われます。
 これは他見を許さない秘めた神事で、涌出宮の氏子圏11ケ所の塚に
 御幣をお供えにまわります。 神々をお迎えする神事です。
 2月17日は早朝より大松明作りが行われます。
 61束の乾燥させた芝に6本の樫の木を当て藤蔓で縛り大きな松明が
 出来上がります。61束は神々が山で61日間お休み頂くという意味から

大松明

午後7時頃より神楽舞が奉納されます。

神楽舞2

午後7時30分から門の儀が始まります。
 居籠祭の正客である古川座が中央に 本殿に向かって右に歩射座
 左に尾崎座が座ります。

お祓い

 与力座が儀の進行を務めます。
 先ずは神楽女によりお祓いが行われます。

次に古式にのっとって門の儀が行われます。

門の儀

 宮司の挨拶の後、手水の儀
 榊の小枝を各座許に持っていき、一老から順に葉っぱを一枚とり
 細かくちぎって体にふりかけます。
 これは浄めで手水の儀式となります。

次に盃をかわします。
 へぎの中には盃と鰯が盛られています。
 古川座から順に一同が盃を交わして親交を深めます。

門の儀2

 その後大松明の儀へと移ります。
 火打ち石で火を起し、大松明へ点火されます。

大松明の儀1

 よく乾燥した大松明は大きな炎を上げ一気に燃え盛ります。

大松明の儀2

この煙りや火の粉を浴びることにより悪霊退散のご利益があるとか

大松明の儀3

その後小分けにした松明の火を門の外に運びます。

大松明の儀5

門のところで宮司さんが居籠祭の由縁の祝詞を述べます。

大松明の儀6

祝詞の後、豊作を祈願して白米と五色を「ごまいさんまい」と
蒔きます。
大松明の儀7

深夜には野塚神事が行われます。
 これは他見を許さない秘められた神事で、榊の木でつくられたミニチュアの農具を
 神社の周辺3ケ所に3日間かけて1ケ所づつ野塚に埋めます。
 農具はすぐになくなるそうです。

農具

翌日は10時から 七度半の使い、饗応の儀、お田植え式が行われます。

 早苗

松葉で作られた早苗を植える儀式です。
氏子家から選ばれた幼児が 男の子をボーヨ 女の子をともと呼び
お田植えが行われます。

この早苗は苗代の入口にお供えすると豊作になると言われております。

これらは農作業を楽しんでいる様子を神様にご覧頂く儀式だそうです。

御田の式

この居籠祭は他見を許さない秘められた行事が多く含まれていて、
古式の神事の典型的な形を今に伝える貴重な祭りとされています。 
貴重なお祭りを拝見することができました。
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中村楼
2018 / 02 / 12 ( Mon )
京の老舗 中村楼

桃山時代末期から江戸時代初期の創業と伝えられる料亭中村楼は
八坂神社の南楼門前にあります。

門構え1


もとは東西に二軒あった茶屋が始まりで、八坂神社に参拝される人々に
腰掛け茶屋として始まったといわれ、これが茶店の発祥とも言われます。

「都名所図会拾遺」に「その濫觴は年暦久遠にして詳にしれがたし
今より百八十年前、慶長の頃東にも建てて東西両翼の如し、これを
二軒茶屋という」とあるようで、東を柏屋、西を藤屋といわれたが
藤屋がなくなり、柏屋が中村楼と改められ今日に至ります。

当初は門前の水茶屋として、やがて豆腐の田楽や菜飯が名物となり
地唄「京の四季」には「粋も不粋も物かたい二本さしてもやわらこう
祇園豆腐の二軒茶屋」と唄われ、また小唄や新春の手まり歌にも
歌われるくらい賑わいをみせていたようです。

東海道膝栗毛にも出てくる名物茶屋として親しまれました。

その中村楼に伺ってまいりました。
タラ葉


玄関前には多羅葉の木が今は赤い実を一杯つけています。
この多羅葉はモチノキ科で日本では葉の裏面に経文を書いたり、
葉をあぶって占いに使用してきました。
この葉の裏に文を書いてハガキとしても使用することができるという
ものです。

お庭2

お店の中は広くてどのお部屋からもお庭が見える工夫がなされている
心遣いがあります。

今日はお昼の懐石料理です。

先ずはアマダイの蕪蒸し
蕪蒸し1

寒い冬には何よりのご馳走、温まります。蕪の滑らかな舌触りが
とてもよくワサビがきいてとても美味しいです。

お吸い物1

真薯とネギのお吸い物
細いのはネギの種類だそうです。一椀の中に絵があります。

てっさ1

冬は河豚の美味しい季節です。

ぶりのお造りとサワラの幽玄焼き1

ブリのお造りの一皿と鰆の幽玄焼き、冬の風邪予防は何と言ってもキンカン
の甘煮です。

名物田楽1

名物の田楽が出てまいりました。
味噌の味は秘伝のお味が守られています。

鴨鍋1

鴨鍋はお出汁がとっても美味、香りがよくて絶品でした。

節分の八寸盛1

2月節分の趣向をあらわした八寸盛です。
白玉椿(ユリ根) 飯蛸 おたふく豆 えび お稲荷さん。
彩もよく、お味のバラエティーもあり、すばらしい表現でした

菜の花1

春をいち早く感じる菜の花に豆に暮らせますようにとおまめさんが
込められた一鉢です。

彩ごはん1

彩ごはんに香のものと赤だしです。

赤だし1

最後は季節の果物

フルーツ1

銀のスプーンがとても素敵でした。
持ち手もおしゃれでふとすぎず、細すぎず 細工も繊細で
果物が余計においしく頂けました。

器と料理の調和、季節と料理の調和、しつらえ
これらが一体となって京の老舗とよばれる料亭は随所にその
心遣いが垣間見える素晴らしいところです。

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