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京の昔ばなし
2009 / 07 / 31 ( Fri )
京の昔ばなし
 「鯉山」(祇園祭り)


7月1日の吉符入りに始まり、1ケ月に亘って繰り広げられた祇園祭りも
今日の夏越祭を持って終了いたします。

多くの人々の心意気と協力・熱意により長く1000年を越える歴史をはぐくんで
きた祇園祭りは今年も無事終了、京都の町衆の誇りでもあります。

         鯉山


この祇園祭りにちなんで、”京の昔ばなし”の中に鯉山というのがありましたので
ご紹介いたします。


      渡し船


”むかしむかし”、室町六角あたりの長屋にたいそう正直なひとりの男が住んで
はりましたそうな。 その長屋の大家さんという人が、これまた曲ったことが
こんりんざいきらいなお人で、こまめに、長屋の人たちのめんどうをみてはった
もんやさかい、みんなからたいそうしたわれていはったということどす。

ある日、この大家さんが用事で、大津まで行かはりましたそうな。
そして用事をすませ、受け取った小判三枚をふところにし、琵琶湖の渡しに
のらはったやそうどす。船がええ気持にゆれるもんやさかい、ついうとうとして
はりましたそうな。

パシャと水しぶきがかかった拍子に目がさめ、ふところから手拭いをだそうと
しはった拍子に、さっきもろうた小判を三枚とも琵琶湖に落としてしまわはり
ましたそうな。

さあ、えらいこっちゃ、大家さんはすっかりあわててしもうて、船頭さんに
さがしてもらわはったが、広い琵琶湖のこっちゃ、見つかるはずがおまへんしな。

とうとう「あの小判は、わたしにさずからなんだもんやと思て、あきらめまひょ。」
いうて、しょうことなしに京へもどらはりましたそうな。

京にもどると長屋でさっそく一部始終をはなし、くやしがってはったそうどすわ。

それから2,3日したある日のことどすわ。

長屋の男が大津からきたさかな売りのコイを食いたいなおもて、清水の舞台から
とびおりたつもりで、いっかいコイを一匹かわはりましたそうな。

なんとその鯉に包丁をいれてみると小判が三枚飛び出してきたそうな。
男はそりゃもう、えらいびっくりしてしもうて、なんでコイの腹から小判がでてきたの
やろと、あれこれ考えているうちにひょいと、こないだ大家さんが琵琶湖で落とした
小判の話を思いださはったそうな。

「そうやこのコイが小判三枚を呑み込んだにちがいない。」思て大家さんの家へ
とんでいかはりましたそうな。

大家さんはこの話をきいて「小判はやっぱりあんたのもんや、あんたが持って
お帰り」言うてどうしてもうけとろうとしはりまへんそうな。

どっちもゆずらはらへんで、とうとう困ってしもうて、役人さんに相談しはったそうな。

お役人さんはじっとふたりの話を聞いてはったそうどすが、ふたりがあんまり
美しい心やさかい、この話をいつまでもあとの世に伝えたいと思わはったん
どっしゃろなあ。

「ふたりとも小判を受け取らんというなら、その小判でコイをほってもらい、
祇園祭りの山にしたらどうじゃ。そして『鯉山』という名にしたらどうじゃ」
といわはったんやそうどす。

ふたりともえらい喜んで「はあそのとおりにします」ということになって
無事はなしがついたということどす。

「鯉山」は近くに住んではった、ほれ、あの有名な左甚五郎はんがみごとな
姿にこしらえはりましてな、今でも、祇園さんの祭りには、まるで生きてる
みたいに元気な姿をみることができるのやそうどす。

今年も17日の山鉾巡行では後祭りの巡行で30番目に
中国の龍門の滝をのぼる鯉の勇姿をあらわしている前掛け、同懸け、水引
で飾られ巡行していきました。

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祇園祭も終わり、梅雨も明け今日4日は
もう35度の炎暑到来。
爽やかで涼しげな鯉山の民話ご紹介
ありがとうございます。
by: fuminomaro * 2009/08/04 22:18 * URL [ 編集] | page top↑
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